ぽんちゃんがお腹からでるまで②
前回のつづきです。
出産日の決定
もともと予定日は12月4日だったのですが、計画分娩なら38週以降の平日、といわれたので、夫の仕事の都合と、39週だと陣痛が来てからになりそうだし、ぽんもすでに大きい(34週で2700グラム)し、で11月20日(38週0日)を選択しました。何となく、こんな感じでぽんの誕生日が決まるのは味気ない感じがしましたが、まあ仕方ない。
いざ、出産入院
臨月に入ってからの2週間は、夜眠れなくなっていたのですが、前日も例外なく、横にはなっていましたが、完徹。寝ずに出産に挑むことに。
朝8時に病院に到着し、夫ともに3畳ほどの陣痛室に入りました。もっと緊張するかと思いましたが、今一つ緊張せず。
産院の計画分娩はバルーンで破水させ、陣痛促進剤で陣痛を起こします。
- 8:40 バルーン挿入
→痛いのかと思ったけど、異物感のみ
- 10:00 陣痛促進剤投入開始
→ちょっと痛いかな?くらい。産院のiPadでクイーン*1を聴く余裕あり。
- 12:00 破水
→感覚なし。体験できなくて残念に思う。産院から出された昼ごはん(スパゲッティ)を普通に食べる余裕あり。
- 13:00 麻酔開始
→背中から入れられる。入れたあと、軽い腹痛くらいに収まる。
- 15:00 子宮口7センチ
→夕方から夜には産まれるねー、初産婦さんなのに早いねーとほめられる
ぽん、お腹から出るのを拒む
しかし、ここからまったく子宮口は開かず、ぽんも降りてこなくなってしまったのです・・・!
ちなみにまったくの無痛ではなくこの段階でちょっと重めの生理痛が常にある感じでした。
- 17:00 助産師さん、交代
- 18:00 状況、変わらず。20:00でどうするかジャッジすることに。しょげながら晩ごはん
- 20:00 ジャッジ。状況変わらず
地味に鈍痛がボディーブローのように効いていました。こんなに長くなるとは思ってなかったので、何でもいいから早く終わらせてほしい!!という気持ちでいっぱい*2。
先生と助産師さんがひそひそ相談してるのが聞こえました。
先生「吸引もありかな」
助産師さん「バースプランに吸引と鉗子は嫌って書いてましたよ」
先生「そっかー、じゃあ一晩熟成させるかー」
何でも良いといいながら帝王切開、と言われるかも、とヒヤヒヤしていた私は、驚愕しました。
「あれ(バースプランの記載)って、そんなに重要だったんだ・・・」*3
今さら後に引けないと察し、「もういいです」という謎発言をしそうだった自分をぐっとこらえました。
先生「あのね、まだ赤ちゃんが降りきってないから、一晩待ちましょう。明日また仕切り直しで8:30から再開します。促進剤は止めるけど、麻酔は入れたままだから」
というわけで、一晩熟成させることになったぽん。
ひとまず夫は帰りました。叫ぶほど痛くはないし、苦しいわけでもないので、特にすることもなく、立ち会うほうも地味に辛かったと思います。
すでに30時間くらい起きたままだったので、寝ました。
・・・が、3時間ほどたった頃、何か便意のような、おしりの下のほうで感じる強めの鈍痛で起きました。
助産師さんに「トイレに行きたい」と訴えて連れていってもらいました*5が、特に何も出ず「これは赤ちゃんなんじゃないか?」と思い、麻酔を足してもらうと、楽になりました。後になってわかりましたが、やはりこれは、ぽんが降りてきて頭が骨盤に挟まっていたようです。
仕切り直して翌日
翌朝、先生と助産師さんの内診。先生の読みどおり、一晩の熟成がよかったらしく、ぽんはかなり下に降りてきました。
「お昼頃には、分娩にいけるかも」と先生は言い残して、外来の診察のために去っていきました*6。
また、助産師さんが交代して、母親学級の時の助産師さんになり、巡り合わせを感じ、この助産師さんの間に産むぞ!と決意しました(じゃないと、やばい)。
- 8:30 麻酔、陣痛促進剤再開
- 10:30 子宮口8センチ
- 12:00 子宮口9センチ
→さすがにこの頃になると、痛くて昼ごはんは半分くらいしか食べられず。ここで最後の麻酔を注入
- 13:30 子宮口全開、陣痛の波を感じながらいきむ練習を開始
→いきめない、ということはなかった。陣痛は、下痢(汚くてすみません)のひどい時の程度
- 14:30 陣痛室脱出→分娩室へ
→歩けないこともないけど、車椅子で移動
- 14:45 分娩開始
→だんだん麻酔より陣痛が勝ってくる。陣痛に合わせながら、助産師さんの指示によりいきむ。途中、もう一人の助産師さんにお腹を押してもらう
- 15:22 ぽん、誕生
→5分くらい前に会陰切開のために助産師さんが先生を呼ぼうとしたけど、私がうっかりいきんでしまい間に合わず、会陰損傷(涙)
というわけで、あしかけ30時間半かけてぽんは産まれたのでした。
産まれたあと
ものすごく大きな声でオギャーーー!!!と産まれたぽん。見た瞬間思ったこと。
もっと感動するかと思ったのですが、無事に終わったことへの安堵感と、裂けたことへのおののきで胸がいっぱいでした。
きれいに拭かれた胸のところに来たぽんに「これからよろしくね。よく頑張ったね」と声をかけました。
体重は3126グラム。40週まで待ってたら、かなりやばかった気がします・・・。私、ナイスジャッジ!!
2日がかりになったのは、11月20日は仏滅で翌日の21日は大安だったので、仏滅生まれが嫌だったのかな、と思うようにしました。
それにしても、新生児は土偶、もしくはガッツ石松か田中邦衛似になると聞いていたので覚悟はしていたのですが、例外なくなかなかパンチのある顔で、
つり目になったみんなのたあ坊
→こだぬき→こだぬき、たまに貴景勝もしくは笑うと高見盛似(現在ここ)
という変遷を辿っています。
母としては八代目市川染五郎くんのようになることを希望していますが、絶対無理(笑)。そして、長時間、母の骨盤に挟まっていたので、吸引してないのに頭が長かったのがしばらく気がかりでした。
総括
▼無痛分娩の是非
普通分娩の陣痛を体験してないので、実際の痛さはしりませんが、母親になるために陣痛を耐える必要があるか、と言われると「ない」と自信をもって答えられます。
痛みで体力を消耗するくらいなら、別のことに体力を使ったほうが良いです、絶対。そして、普通分娩で産んだ方に対しては、尊敬しかないです。
出産後、会陰の痛みはすごかったですが、すぐに体力が回復し、帰宅してからも結構早めに新生活に適応できました*8。
それに痛みへの恐怖はなく、比較的冷静でいられたと思います。
あわせて「ぽんはかなり苦かったんだろうな、耐えてくれてありがとう」と思う気持ちが強く、無痛分娩だから子どもをかわいいと思えない、なんてことはないです。
無痛はプラス10万円でしたが、その価値はあると思います。
そして、もし無痛ができる環境や条件があるのに、旦那さんがその分のお金をケチろうとしたら、奥さんであるあなたには
「産むのはお前じゃないよね?」
という権利があります!
▼無痛分娩は危険なのか
麻酔が体に合う、合わないはあると思いますが、実績のあるところなら無痛自体が危険ということはないと思います。
素人考えですが、おそらく危険性が高いのは計画分娩じゃないかと。無痛分娩の場合、一般的に病院の都合で計画分娩になることが多いので、初産の場合、私のようになかなか子宮口が開かない、赤ちゃんが降りてこない、というトラブルや、いきみが感覚的につかみいかないとかによるものがあるのかな、と。
実際、私もここでひねり出さないと、出てこない気がする!と本能的に思ってしてまい、助産師さんのストップを待たずにいきんでしまい、会陰がかなり裂けました*9。
分娩は十人十色で、何が良いか悪いかもありません。ただ、どんな分娩方法にしろ、予行練習もなくぶっつけ本番でやるしかないし、母体だけでなく赤ちゃんにとっても、何であんな危ない方法でしか産むことができないんだ!!と憤りを感じます(笑)。
まじで男の人は、奥さんに感謝したまえ!
という感じで、無事に産まれてきたぽん。これからもすくすく育ちますように!